①家族が高次脳機能障害になった!救命救急センター編

家族が高次脳機能障害になった

高次脳機能障害とは

高次機能障害とは、脳卒中などの病気や交通事故などで脳の一部を損傷したために、思考・記憶・行為・言語・注意などの脳機能の一部に障害が起きた状態をいいます。 外見からは分かりにくい障害であるために、周りの人から十分に理解を得ることが難しく誤解されてしまうことがあります。

 

脳機能の障害は現在もわかっていない部分もあって、損傷を受けた部位によりそれぞれ障害の出方が違います。

わたしも家族が障がい者になるまで知らなかったのですが、
脳の右側(右脳)が支配している体は左側であり
脳の左側(左脳)が支配しているのは右側なんです。

脳出血などで右脳のどこかを損傷すると体の左半身が麻痺をしたり痺れたり、
損傷の程度によって変わってきますがなにかしら後遺症が残ることが多いです。

わたしのwebサイトを見にきて下さる方は
ご家族が何らかの原因で介護が必要な状況になってしまったり
高次脳機能障害になってしまったりしているのではないでしょうか。

家族に突然起きたことに驚かれたのではないでしょうか。

わたしもそうでした。

ひとつ言えることは、ある程度は回復できる!ということです。

もちろん障がい者になった時の年齢や、どの程度の脳への損傷があったのかにもよりますが、
リハビリや普段の生活環境でまるで状況は変わるでしょう。

だから諦めないで(真矢みき風に)下さい!

参考になるか分かりませんが、
我が家の場合どの程度の脳損傷で現在どの程度回復状況なのかをお伝えします。

 

夫の病名は脳動静脈奇形でした。(AVMと言います)

「脳動静脈奇形」とは、脳の中で異常な動脈と静脈が毛細血管を介さず直接つながり、この部分がとぐろを巻いたような塊(ナイダスと呼ばれます)となっている状態の血管奇形です。 正常な血管に比べて壁が薄く、破れやすいです。 破れると脳出血、くも膜下出血となります。

入浴中に激しい頭痛がして薬を飲むためにバスルームから出た瞬間に倒れました。
ちょうど私も在宅しており、倒れた音に気づき救急車を呼びました。

救急隊員が来るまでの数分までは意識もあり、パンツが履きたい。と身なりも気にしていたのです。
急いでパンツを履かせ、救急車が到着した頃にはもう意識消失。

最初に到着した病院ではちょうど脳外科の先生が手術に入ってしまい、MRIだけ撮影し別の病院へ。
この病院で年配の看護師さんに手を握られ「頑張ってね、きっと大丈夫だからね」と言われたのを今でも忘れません。

 

夫が倒れて手術を開始するまでの時間は確実ではないのですが4時間くらいかかりました。

救急車で運ばれている最中にはもう瞳孔が開いていて心臓の音が聞こえてきそうなほど緊張したのを今でも覚えています。

大量の右脳出血です。MRIを見ましたが大きくぽっかりと空いた損傷部分が後に後遺症となるんですが、びっくりするほど大きかったです。

脳圧も高く1週間ほどは目も覚ますことはなく、たまに指先が動いても医師には反射ですと言われる日々を過ごしていて、薄々気づいていたけれどこれは只事じゃないなと思いました。

まず顔がなんか違う。。。

医者は希望を持たせることは絶対に口にしませんので、絶望した記憶があります。

脳波も微妙ですねと言われたりしたので、これは植物状態というものなのか。。。と怖くて眠れない日々を過ごしました。

開頭手術から1週間ほどして目覚めはしたのですが気管切開をしていて話すことが出来なかったので、ハイは頷く、いいえは首を横に振るように伝えましたが、頷いたりするけどなんかちょっと変な感じ。。。

うまく噛み合っていないというか、表情もニコニコはするものの今は笑うところじゃないのにな?という場面で楽しそうだったり、この噛み合わない感じが後に高次脳機能障害だと分かるのですが、この時はまだ話すことも出来なかったですしわたしに知識もないしで、何が起こっているのだろう?という感じでした。

あいうえお表を作って指差しで会話をするようになったのですが、噛み合うことは6割くらいで、残り4割は微妙になんか変だね?という感じです。

救急病棟だった為、面会時間も短く看護師さんなどに状況を聞いて少しづつ何が起きているかを知りました。

 

脳動静脈奇形の残りの病変(ナイダスと言います)を取り除かなければならず、再度手術になるのですが手術方法が3パターンあり一番安全そうな血管内治療を最初行いましたが、血管が細すぎて目的部位にカテーテルが入って行かずに断念。失敗に終わります。

主治医は外科手術を希望(開頭手術)しましたが、ネットで調べた結果とても危険そうで「それでお願いします」とは言えませんでした。

調べると外科手術、血管内治療(失敗)、ガンマナイフがあり、何故ガンマナイフは検討されないのかを聞くとその病院にはガンマナイフがなかったのです。

そのため勧めてはくれず適応条件を満たしてるかどうかも曖昧でした。

そこでわたしはすぐに調べてセカンドオピニオンに行きました。

当時調べた時にとてもガンマナイフの治療経験数が多く、研究も積極的に行っている林先生という方がいらっしゃることを知りどうにかセカンドオピニオンをしていただけることになりました。

事情を考慮して早く面会をして下さりました。

林先生はMRIを見て、
病変がとても奥にあるので、次開頭手術をしたらそこの病変にたどり着くために必要な壊れていない組織まで傷つけてもっと障害が出てしまうね」と仰いました。

こんなに失った部分があるのに、意識があるなんてびっくりだとも仰っていたので相当に出血量が多かったんだなと思いました。

外科の先生は開頭手術が最善と提案されましたが、きっともう沢山組織を失っているから多少他の組織を追加で失ってもいいでしょうと思ったのかなと少し落ち込みました。

林先生はガンマナイフをすることで病変を取ることができると提案して下さり、わたしはガンマナイフをお願いすることにしました。

セカンドオピニオンでこんなに人生が変わると思いませんでした。

まさに分岐。大袈裟ですが運命が変わる瞬間のように思いました。

長くなるので、分けて当時のことを書いていこうと思います。

入院中に使って便利だったアイテムや参考にしたもののリンクも貼っておきます。

この山田 規畝子さんの本ですが、わたしが読んだ高次脳機能障害の本の中では衝撃的な本でした。

山田さんが当事者本人になりますので、全て起きている不思議な高次脳機能障害のことを本人が説明している本になります。本人が一番大変な思いをしているんだなと知れました。

本の中で山田さんのMRIが出てくるのですが、我が家の夫の方が出血範囲が広かったです。

あと絶版になってしまったようで探せなかったのですが、「日々コウジ中」という高次脳機能障害の旦那さんを持つ漫画家の奥様が書いた本が以前ありました。

すごく参考になったので紹介したかったので残念です。
あのようなリアルな作品を高次脳機能障害者の家族が見るべきだと思うのでまた出版してほしい作品です。 

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